植えつけ・土

日照★★★

 水がないとすぐ枯れるのでバラにとって水が一番重要ですが、その次は日照です。日照が1、2時間でも★★★と★★の世話をすれば4,5月には花は咲きますが、6,7月、9-11月の返り咲きはやはり少なくなります。もし日照が確保できなければ日光要求性の低い品種の方が返り咲き多いです。例えばアイスバーグ、うらら、ポリアンサ種、つるばらではプロスペリティ、コーネリア、ニュードーン、マダムアルフレッドキャリエール、バフビューティ、ブラッシュノアゼットなどです。インターネットで”日陰でも咲く”と説明があっても春のことを意味している場合がほとんどで、春だけであれば全ての品種が咲きます。人気のあるイングリッシュローズ、切り花用品種、新しい品種は日光、肥料要求性が高く、十分な世話をしないとカタログのようには咲きません。

鉢植え★★★

 容量15~20Lぐらいの大きな深型鉢、ブラ鉢で十分。大きくなるつるバラですと30L。2Lのペットボトル、灯油タンク18~20Lと比べておおよその容量を覚えておくと土の配合などの際に便利です。円柱形であれば半径cmx半径cmx3.14x高さcm。これを1000で割ればL数になります。

用土:ホームセンターで売っている園芸用土で構いませんが、牛糞堆肥を10%程度混ぜてください★★★。できればピートモスも5%程度★★。さらにもみ殻燻炭3%★。★が多いほど重要です。こういった排水性のよい土でしたら鉢底石は不要です。マルチ(土を覆うための藁や樹皮チップなど)も不要です。雨水を吸いますし、鉢上にそれだけのスペースがあるのであれば土を入れましょう。

植えつけ時の肥料:鉢の場合は最初の植えつけ時に元肥は入れる必要ないです。植えつけ後、有機肥料を20Lに対して100g程度を表面の土3~5cmと混ぜてください★★★。10Lでしたら50g程度です。表面の土に混ぜても水やりによって下に流れて行きます。株の接ぎ口を地面の上に出す、埋めるはどちらでもいいでが、出しておいた方がいいと思います。3か月後から肥料のページを参照してください。

冬の最低気温がマイナス5度を下回るようであれば、3-5cmの穴をあけた大きなゴミ袋をかぶせて陽が当たって温度が上がらないように日陰においてください。土が湿っていれば水やり不要です。

鉢植えの植え替え★★★

 鉢であれば2,3年に1回12月~1月に鉢から出して周囲の土(1/3程度)をほぐし、古い根を切り取ります。切った根を取り除き、ほぐした土に牛糞堆肥10%(ほぐした土を7Lとすると牛糞0.5~1L)、ピートモス5%を混ぜて植え戻します。植えつけ時と同じく有機肥料は表面の土3-5cmと混ぜて与えてください。

調子の悪い株の場合は12月~1月休眠期に鉢から抜きだし土を入れ替えます。調子の悪い株では根は張っていないと思いますが、細い根は切って構いませんので古い土をほとんど取り、新しい土、牛糞堆肥、ピートモスを使い同じ作業をします★★。古い土には10%程度の牛糞堆肥を混ぜて、有機肥料を使用すれば微量要素、土中の菌のバランスも正常な状態に戻り他の植物に使えます。廃棄しなくてもいいです。バラの根にコブが見つかった場合は害虫・病気ページを参照してください。

地植え

梅雨の時期に雨水がたまることはないですか?広ければ業者に黒土など用土を追加してもらい、雨水勾配をつけるなどして排水を確保します。暗渠は費用がかかる割には目詰まりして効果がなくなります。

直径40cm(できれば50cm)深さ30cm(できれば40cm)の穴を掘り、掘り出した土に牛糞堆肥10-15%★★★、ピートモス5%★★混ぜてください。底の方に有機肥料50-100gを混ぜてください★★★。株元(株の接ぎ口)は地面から出すぐらいで、被っていても構いません。埋め戻すとき表面には牛糞堆肥の混ざっていない土を5cm程度かぶせます。コガネムシの産卵予防になります。

地植えの場合は雨が降れば肥料は雨水と共に上から下に、晴天が続けば地中下から水分が上に供給されます。目が細かいほど土中から上がってきます。牛糞堆肥を多く入れすぎてふかふかの土にすると水分の上りが悪くなります。なので堆肥、ピートモス、もみ殻燻炭は入れすぎないように。

 

水やり★★★

 土中の水分が適度に少なければバラ自身が根を伸ばして水分をより多く吸収しようとし、栄養の吸収範囲も広がりどんどん大きくなります。水が多いとこの成長サイクルがないため成長が遅いです。株が大きければ水不足でも根を伸ばす能力がありますが、挿し木の小さな苗はその能力に限界がありますので成長が遅く、水不足で枯れやすいです。

鉢植えの水やりは実は一番難しいです。水が多い過湿の場合は根も育ちませんので肥料も吸収しにくく、さらに肥料が水と共にどんどん流れていきます★★★。土中に酸素が供給されにくく肥料の発酵、好気性菌の減少を招きます。水が少ないと夏には夕方にしおれて特に根が痛みます。鉢の表面が湿っていれば水は少なめに、その日曇りであれば水やり不要です。もし夕方、枝先がお辞儀しているようであれば水やりしてください。このあたりは株の大きさ、葉の量、鉢の大きさ、土質、日当たり、気温、日光など様々な要素を考慮しての判断になります。

鉢を持って持ち上げる、重ければ鉢の一方のふちを持って傾けるように持ち上げ、重さを手で感じると鉢の中の水分量がわかるようになります★。

 

地植えの水やり★★★

 地植えの場合は雨が降れば水は上から、降水がなければ水が地中から上がってきますので過給水にならないようにし、バラが自分から根を伸ばして水分をとる能力を高めるように栽培します。梅雨明け後の夏の暑い時期には地植えでも水やりが必要です。

土に堆肥の割合が多いと地中からの水の吸い上げが弱くなります。粒子が細かい土の方が水の吸い上げがいいのですが、土中に酸素が供給されにくくバラにとっては好ましい環境ではないです。夏でも水をしっかりと散布するのであれば堆肥の割合を20%まで増やしても構いません。但し、コガネムシの産卵防止対策を忘れないようにしてください。

夏の庭の水やりは重労働です。2018年から試験的に株元の土の上に15cm四方の外構用タイルを9枚置いています。夏でもタイルの下の土は湿っていますので、水やりは2,3日に1度です。バーク、藁、もみ殻などのマルチですと少量の雨、散水ではマルチが水を吸収してしまい、水が土に届きません。タイルですと全く水平ではないので少量の雨水でも土に流れ落ちます。タイルの部分は雑草も生えません。タイルの下にはアリの巣ができますが、巣穴を作ってくれることは土中への酸素供給で有益と考えます。株元に日光が当たりませんが今のところタイル設置による弊害、デメリットは見当たりません。強いて言えば、見栄えが悪いかも。 

 

つるバラの育て方

 つるバラは大きく伸び、葉も多いのでその分、肥料、水分も多く必要ですから鉢植えではできるだけ大きな鉢を使いましょう。つるバラと言っても、ランブラーもありますし、シュラブをこじんまりとしたつるバラのようにそうだてる方法もあります。ネットでは花の写真だけでなく、どのような樹形のつるバラになるかよく調べて購入してください。特に何m伸びるかというのは非常に重要です。1.5mx1.5mのフェンスしかないのに、4、5m伸長するつるバラを受けるとたいへんなことになります。主幹から2‐3m枝が伸びる品種、花がつくステムが1m伸びる品種などは大きな面積だけでなく、秋に伸びた枝の始末が大変です。枝が太くて硬いバラ、細くて曲げやすいバラ、横にしなくても花が付くバラなどいろいろありますので、植える場所、壁面か、フェンスか、アーチなのかよく考えて決めましょう。

 シュートは支柱を立てると伸びやすくなります。剪定で本数を減らすと残った枝は伸びやすくなります。冬の誘引を考えて不要な枝は7月~11月に剪定するのもいいでしょう。

 つるの主幹からステムが伸びてその枝の先に花が付きますが、ステムの長いつるバラはアーチ、オベリスクには向きません。ステムの短いつるバラの方が構造物の形の沿って延び、花が咲くので形がきれいです。つるバラは下から見上げることが多いので少しうなだれて咲く方が見栄えがよくなります。

 木立性バラが変異してつるになったものは窒素肥料を多くあげると枝ばかり延びて花付が悪くなります。

ミニバラの植え付け

 ホームセンターでミニバラですがポットに4~5株植わっていますので一株100円以下です。見栄えがいいようにポットに詰めて植えられていますが、このままでは混み合って大きく育ちませんので、付いている花が終われば早速植え替えます。

 安いですし小ぶりなので草花のように6~12株でバラの花のベッドを作るように(Bedding)植えるとか、細長いスペースに長く一列に並べる。4月~1月まで繰り返し咲きですのでガーデンデザインに効果的です。違う色のミニバラを使って庭に模様を描くこともできます。

 矮化剤を使っているので売られているときは小さいですが、1,2年後には樹高30cmぐらいにはなりますので20-30cm間隔で植えつけます。ベランダの場合は60cmぐらいのプランターに4株が適切だと思います。根を切ってしまうので真夏と冬季を避けて3月~6月、9~11月が最適かと思います。売られてる時は数株がお互いに絡み合い支え合っていますが、株元の枝も細いので株分けすると倒れやすいです。しっかりするまで支柱を立てて支えてください。

 ミニバラは葉が茂りますので地植えでもハダニが発生することがあります。また、樹高が低いので葉裏が見えにくく発生に気が付きにくいです。定期的に葉裏に水を霧状に散布して発生を抑えてください。挿し木もしやすいので枯れたときの予備として1,2株作っておくといいでしょう。

 

1ポットあたり4~5株の挿し木苗です。購入時に全て元気か確認しましょう。ポットの横をいろいろな方向から押して取り出しやすくします。

 

 

鉢から取り出します。株をろうそくに見立て、ホールケーキを切るようにカッターナイフで4等分します。4分の1カットです。

ケーキカットするので根を切ってしまいますが、できるだけ土を落とさないように塊を保ちます。

20~30cm間隔ぐらいで植えつけます。肥料は株から少し離して。支柱を立てます。この後、花、蕾はすべて切り落としました。