土壌改善

牛糞堆肥 ★★★

 ”完熟のものを使ってください”とアドバイスされて皆さん迷っておられますが、牛糞堆肥は完熟でないと臭うので完熟のものしか売られていません。腐葉土は大半が未完熟のものなので使用しないでくださいNG。牛糞堆肥には窒素リン酸カリなどの肥料成分も含まれていますが含有量は有機肥料の1/3~1/4程度で、1年程度にわたってゆっくり分解されますので、肥料というよりも土壌改善材として使用します。有用な資材ですが土の10%以上は混ぜないようにしてください。土の表面に施すとコガネムシが産卵に来ます。使い方は植えつけ・土のページを参照ください。

馬糞堆肥と牛糞堆肥では大きな差はないと考えます。塩分(NaCl)も無機塩含量もほぼ同じです。それよりも混ぜてあるおがくずの分量が少ない方がいいです。おがくずは水分が多すぎる牛糞を発酵させるには必要なのですが、放線菌、微量金属(無機塩 Mg, Ca)が多いのは牛糞です。有機塩はここでは無関係です。購入時に袋の成分表示をみてできるだけバーク堆肥が入っていないものを選んでください。

 

ピートモス ★★

 バラは弱酸性土壌を好みますので酸性度を弱酸性にしたい時に使用します。酸度調整済みと記載があってもなくても違いは最初だけです。調整と称して石灰を混ぜているだけで、2,3か月もすればピートモスの緩徐な分解により酸性となります。乾燥したピートモスは水をはじきますが土と混ぜて入れればなじみます。

もみ殻燻炭★

 もみ殻はケイ酸を多く含み植物の茎葉が丈夫なると言われますが、DNA上いくらたくさん撒いてもバラが吸収して、枝を硬くすることはないです。これよりももみ殻を燻炭にすれば無数の微細な穴ができますので微生物、保水性の改善に役立ちます。バラは弱酸性の用土を好みますが、もみ殻燻炭は弱アルカリ性となりますので全体の土の量の2%以下とし、必ずピートモスと併用し、ピートモスの方が多くなるようにしてください。

もみ殻 

 もみ殻はケイ酸の多い有機物で、硬く熟成が遅いため窒素肥料としては超遅行性、効果はないに等しいです。期待できる効果は粒が大きいので土壌に酸素を多く保持できることです。この目的であれば燻炭にした方が効果が期待でき、また赤玉土、鹿沼土、やしがら繊維をの方がいいです。というのは逆効果としてもみ殻の発酵熟成時に土壌の窒素が奪われるからですNG。マルチチング(表土カバー)に使用すると強風時には散乱しますのでお勧めできません。田んぼに撒かれているのを見かけますが、廃棄の目的で悪影響が出ない程度の少量だけ撒いているようです。

 

エアレーション★

 酸素が多いところで活動を高める好気性菌によって堆肥の発酵分解がされます。また酸素を供給することで腐敗を招く有害な嫌気性菌の活動を押えます。鉢の場合は水をあげることにより土中の空気も一旦下に押し出され、水が土中に染みこむとともに表面から新しい酸素も入っていきます。しかし地植えの場合はこの押し流し作用が起こりません。株元から20~30cmのところに5mm程度の鉄棒を刺して抜きます。5㎜-1cm深さ20-30cm穴、2~5個あけます。芝管理で使うエアレーションの効果です。バラ栽培の本、サイトには紹介されいないですが、効果はあると思います。鉢でも通気性の悪い硬い土であれば効果はあるでしょう。

 

カニガラ、キチン、キトサン

 カニガラは産業廃棄物でキトサンまで分解されても分子量が大きく、植物は根葉から吸収できません。これらは放線菌群増やしますがグラム陰性菌まで増やします。放線菌と野菜の成長について20-30年以上前にいくつか学術的報告がありますが、その後菌種の分離による科学的な検証はできていないのが実情です。

カニガラに2%の窒素、リン成分が含まれており、また甲殻類の殻は農林水産省によって肥料に指定されていますので、無肥料の土ではカニガラ有りの方がよく育ちます。住友化学園芸、ハイポネックス社など信頼できるメーカーは肥料以外の効果はないとして販売していないです。放線菌群は牛糞堆肥に含まれていますのでカニガラを追加するよりも牛糞堆肥を施し、土中に酸素を多く送り込む方が好気性放線菌を増加させるには効果的と考えます。

 

土壌の酸性度 ★★

 多少酸性またはアルカリ性に傾いている土壌でも土壌の酸度計はph7ぐらいを示します。バラは弱酸性土壌を好みますので、他の植物と異なります。ピートモスを5%以下混ぜることが適切です。

新築の基礎などでモルタル、コンクリ-トの容器を洗った水を庭に廃棄された場合はアルカリ性が1、2年続きます。この場合、弱酸(酢1を100倍に薄めた水 pH5を2,3L)を散水し中和し、ピートモスを10%漉き込みます。