ガーデンデザイン

 バラが育てられるようになったら、ガーデンデザインに取り組みましょう。バラ一輪より空間としてのガーデン作りはより深い癒しを与えてくれます。この20~30年ぐらいイングリッシュローズやガーデニング雑誌ビズの影響によりイングリッシュガーデンにあこがれる人が多くなりました。他にはスペイン、イタリアの都市、集落のアパルトマンの中庭に多く見られるパティオガーデン、広い土地を利用し樹木に手を加え幾何学的に利用するフレンチガーデンなどがあります。Webで検索用語を入れて画像検索してみてください。

 

イングリッシュガーデン:自然の植生を生かした庭でたくさんの種類の草花が混栽されています。四季それぞれに違う花が咲き乱れます。あまり広くない庭でもこのデザインに仕上げられますので日本でも応用できると思います。フランスのクロードモネの家の庭園はイングリッシュガーデンです。

 

フレンチガーデン:実は英国にも多くありますが、人の手を多く加えて草花樹木を幾何学的に配置し、剪定によって管理された庭です。シンメトリーのデザイン、円錐形のトピアリーなどが特徴で、広い土地が必要です。ベルサイユ宮殿、英国のブレナムパレスはフレンチガーデンです。

 パティオガーデン:狭い土地であまり日の当たらない中庭を想定したガーデンデザインです。樹木は少なく日本のテラス、ベランダ、小さな庭、日照が少ない庭にも応用できると思います。”パティオガーデン”と日本語で検索してもいい画像はでてこないので、"patio garden"で検索してください。

 計画の順序ですが

①本、ネットで画像検索してコンセプトを決める。とにかく多くの庭、写真を見ることが大切です。

②大まかな樹木、草花、通路、ガーデンファーニチャー、噴水、庭園灯、オブジェなどの配置、デザインを考えます。陽あたり、作業用の通路も確保してください。和洋混合、バラに和風の石、灯篭はNGです。イメージを保って統一性を保つことが大切です。アーチも市販品は黒に塗装しているものがほとんどですが、オフホワイトに塗り直すだけで全くイメージが変わります。

③何を植えるか、数年後の樹木の成長を考えて植える樹木を決めます。樹木は頻繁に植え替えできないので慎重に検討してください。5,6年経っても樹高2m以下で管理できる品種は意外と少なく注意が必要です。

④草花の種類を決めます。草花は毎シーズン植え替えられるので、あまり考える必要はないです。頻繁に植え替えますのでその都度牛糞堆肥を5-10%程度すき込んでください。連作障害が抑えられます。

バラの効果

 1年12か月のうち10か月間花が咲き、これほど様々な色、芳香、花形、樹形がある植物は他にありません。バラのある庭は気品にあふれ、ガーデンデザインでは重要な役割を担い、バラの樹高、横張性、樹形には注意が必要です。カタログ数値と大きく違うバラもあります。 また、春と秋の色の違いもあります。秋は春に比べ色が濃くなります。夏は退色しやすくなります。

芝の効果

 バラのほか、四季それぞれの草花、乾燥に強いラベンダー、ローズマリー、トピアリーやノットガーデンに柘植が利用できます。

 上の写真でもわかりますが、何も植えていない通路などのスペースも重要で、レンガ、割石、芝生などが利用できます。特に冬にも緑色を保つようにWOS(Winter Over Seed)した芝生は寂しい冬の庭に美しさを与えてくれます。

 西洋冬芝は日本の冬でも緑ですが、北海道などの冷涼な地域を除き夏越が非常に難しいです。ほとんどの地域では夏は西洋夏芝か高麗芝、姫芝が管理が楽ですが、これらの芝はすべて冬には茶色になります。

 年中緑にするには春から秋は夏芝で、秋に冬芝の種を撒き、10月~4月はこの冬芝で緑に保ちます。私はWOSにはサツキワセを使用しますが、特に春のトランジションが容易でゴールデンウィークには確実に夏芝が芽吹いてきます。西洋夏芝はテフトン、バミューダグラスを使用し、4-6月、9月に施肥は月1回、刈り込みは月2-4回行います。

 十分な日照と肥料があれば西洋夏芝の成長力はどの雑草よりも強く、施肥と刈り込みを繰り返すことによって雑草は芝との生育競争に負け、雑草のない分厚いふかふかの芝のターフをつくります。芝の育成を初めて13年になりますが、芝に雑草は生えませんので除草剤を撒いたことはないです。西洋夏芝は踏み圧にも強く激しい運動で擦り切れても1週間で回復します。その分日光要求性と肥料要求性が高く、施肥、刈り込みを怠ると芝が弱り、雑草が生えてきます。

 

 

WOSの方法です。

2020年10月10日 夏芝のバミューダグラスの刈り込み前です。コロナで上手く施肥、刈り込みができていませんが、これからさらに刈り込んで芝を弱らせます。

刈り込み後です。レーキをかけ5月から5か月間溜ったサッチ(芝かす)を取り除きます。さらにランナーという匍匐茎をカットします。その後冬芝の種を撒きます。

11月3日芽が出てきてふさふさです。この後芝高30㎜で刈り込み、施肥しました。冬芝は夏芝より明るい緑で、柔らかいです。寒さにも強くこれで冬もずっと緑です。


WOSにはサツキワセを使っています。春GWあたりに晴天が続くと衰退し、夏芝に容易に変わります。

種撒き後、レーキをかけ表面の土と種を混ぜるようにして土に潜らせます。更に砂を2㎜ぐらい篩(ふるい)でかけます。1週間で発芽しますのでそれまでは毎日散水です。

 

 

バミューダグラスのリビエラは種で育てられますので経済的です。夏に刈り込んで、冬地上部分は枯れても春にまた芽吹いてきます。

WOS用の冬芝は5月には枯れますので毎年10月に種を購入し撒く必要があります。一般の庭程度では高いものではないです。